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DEAD CAN DANCE / DEAD CAN DANCE [デッド・カン・ダンス]

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『DEAD CAN DANCE』(1984)
 01. The Fatal Impact
 02. The Trial
 03. Frontier
 04. Fortune
 05. Ocean
 06. East of Eden
 07. Threshold
 08. A Passage in Time
 09. Wild in the Woods
 10. Musica Eternal
 [Bonus Track]
 11. Carnival of Light
 12. In Power We Entrust the Love Advocated
 13. The Arcane
 14. Flowers of the Sea

 
 1980年代のUK音楽(所謂New Wave)を扱った本・雑誌は意外に多い。現在私の手元にあるのは、以下の7冊。(ギタポ、ネオアコ関係は除く)
  ①『ロック・オルタナティヴ』(音楽之友社、1994年)
  ②『ブリット・ポップへの道』(ミュージック・マガジン社、1997年)
  ③『UK NEW WAVE』(シンコー・ミュージック、2003年)
  ④『レコード・コレクターズ2004年3月号』(ミュージック・マガジン社)
  ⑤『英国ロックの深い森 1976-1990』(ミュージック・マガジン社、2004)
  ⑥『ストレンジ・デイズ2004年5月号』(ストレンジ・デイズ)
  ⑦『80's ROMANCE』(カラー・フィールド、2009年)
 バウハウスやエコバニ、ジョイ・ディヴィジョンといった大御所はいずれの本でも紹介されているが、デッド・カン・ダンスの作品が取り上げられているのは⑥のみ。オーストラリア出身ということが理由かもしれないが、⑤の「はじめに」では「英国生まれ以外のアーティストも今回は取り上げた」と書いていある。もしかすると、彼彼女らの音楽は、ロックという文脈から離れすぎたのか....。私にとってのNew Wave~ポスト・パンクとは、「何でもアリ」の世界だったのだけれども。
 とはいえ、再結成バウハウスが彼らの曲「サーヴェイランス」(4thアルバムの「THE SERPENT'S EGG」に収録)をカヴァーしたり、トリビュート・アルバムがリリースされるなど、後の音楽シーンに与えた影響は少なくない。女性Vo.のリサ・ジェラルドがリドリー・スコット監督の映画『グラディエーター』(アカデミー作品賞受賞)やNHK大河ドラマ『龍馬伝』の音楽を担当するなど、ポピュラリティを獲得する一方でカルト的な人気も高い。オーストラリア出身ではあるものの、「英国ロック」としてスポットライトを当ててみたい。

 この1stアルバム『DEAD CAN DANCE(邦題『エデンの東』)』のジャケットの写真は、パプア・ニューギニアの儀式用仮面で、ブレンダン・ペリーのインタビューによれば、デッド・カン・ダンスというバンド名を視覚的に再解釈してもらうために使ったという。曰く「この仮面は、かつて生命が宿る木の一部であったが、現在は死んでしまっている。しかし、作者の芸術性によって生命力が吹き込まれている」と。彼によれば、奇妙なバンド名は「非生物を生物に転換する思考様式(think of the transformation of inanimacy to animacy)や「死から生まれる生命というプロセス、そして生へと向かう死というプロセスの思考様式(think of the processes concerning life from death and death into live)」に基づいているという。う~む、哲学的だ。
 原文はこちらのオフィシャルサイト。  http://www.dcdwithin.com/
 (原文中の「reintrepretation」は「reinterpretation」のスペルミスだと思われる。)

 現行盤のラスト4曲は、ミニアルバム『GARDEN OF THE ARCANE DELIGHT』からのテイクで、オリジナル盤には収録されていない。このミニアルバムの日本盤『深遠なる庭園にて・・・・』(キング : K15P-519)の解説は、「ポジティヴ・パンク系のバンド名をみていると、まるで申し合わせたように、デス(死)、セックス、カルトといった言葉を使用しているのに、思わず笑ってしまう」という書き出しで始まる。当時の音楽シーンを考慮すればいたしかたないが、まさか30年後に自分が笑われるとは、書いた本人も思ってなかったろう。この評論家さんのように「DEAD CAN DANCE」というユニット名ゆえに「暗い風変わりなゴス系バンド」だという認識が広がったことも否めない。
 同解説ライナーには、「ポジティヴ・パンク」という言葉が何度も出てくる。1980年代、現在では「ゴシック・ロック」とよばれる様式は、ポジティブ・パンクとか、一部では「ネオ・サイケ」などと呼ばれていた。当時、雑誌『ロッキング・オン』にはその呼称を揶揄するようなマンガが載っていたが、たしかにこの作品にもポジティブという言葉からイメージされる要素はまったく感じられない。 今は亡き雑誌『Fool's Mate』のNo.43(1985年3月号)のディスク・レビュー欄で、瀧見憲司氏(多分)が『深遠なる庭園にて.....』からイメージされる言葉を羅列しているが、その通り。「安楽の地」「聖域」と「暗闇」「死」、「静寂」「幽玄」と「踊り続ける」といったアンビバレントな感覚が同居する不思議な感覚。

 デッド・カン・ダンスの1stアルバムは、後の作品群と比べるとドラムやベースが強調されたロック寄りの作品であり、『ガーランズ』の頃のコクトー・トゥインズやジョイ・デヴィジョンなどに近い。またリサのヴォーカルは些かエキセントリックであり、洗練されておらず、アルバム全体としてオリジナリティを感じさせるものではない。そのため、後の作品で感じられる、クラシカルで重々しく、ズンズン墜ちていく暗闇の中に差す一筋の光といった雰囲気はほとんど感じられない。
 しかし10やボーナス・トラックとして収録されている4曲には高い芸術性と深い精神性が感じられ、後のデッド・カン・ダンスを予感させるに十分な仕上がりとなっている。また3は87年にリリースされた4ADのコンピレーション『Lonely Is an Eyesore(邦題『夢物語4AD』)』でリメイクされた。プリミティヴなドラムにリサの祈るようなヴォーカルが乗るという基本的な構成は同じだが、様々な音が加えられており、宗教的な荘厳さが全面に出てきたようなミックスになっている。
 「Frontier」(『夢物語4AD』収録ヴァージョン)
 オーストラリアという国のイメージとはまったくつながらないアーティスト。ヨーロッパ的な退廃と耽美。そしてその後彼彼女らは、ヨーロッパにとどまらない普遍性を纏うようになっていく。




デッド・カン・ダンス

デッド・カン・ダンス

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ホステス
  • 発売日: 2010/09/22
  • メディア: CD
深遠なる庭園にて…<紙ジャケットCD>

深遠なる庭園にて…<紙ジャケットCD>

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Music Japan =music=
  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: CD
エデンの東<紙ジャケットCD>

エデンの東<紙ジャケットCD>

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Music Japan =music=
  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: CD
Dead Can Dance

Dead Can Dance

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 4ad / Wea
  • 発売日: 1994/03/22
  • メディア: CD


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