So-net無料ブログ作成
検索選択

LIFE'S HARD AND THEN YOU DIE / IT'S IMMATERIAL [イッツ・イマテリアル]

IMG_1311.JPG


【2003 release edition】
 01. Driving Away From Home (Jim’s Tune)
 02. Happy Talk
 03. Rope
 04. The Better Idea
 05. Space
 06. The Sweet Life
 07. Festival Time
 08. Ed's Funky Diner
 09. Hang On Sleepy Town
 10. Lullaby
 11. Washing The Air
[Bonus Track]
 12. Ed's Funky Diner (The Keinholz Caper)
 13. Driving Away From Home (I Mean After All It's Only Dead Man's Curve)


 80年代のUKニュー・ウェイヴの「何でもアリ」感を体現していたのがIt's Immaterialの1stアルバム。アコースティックとエレクトロニクスを絶妙にブレンドした、洗練されたサウンドが持ち味。私はこの2人組が大好きで、ネットを使って世界中から彼らのレコードを集めたものだ。
IMG_1319.JPG

 この1stアルバムには、センチメンタルで叙情的なアコースティック・ナンバー「The Better Idea」から、エスニックな雰囲気も感じられる「The Sweet Life」「Festival Time」、そしてクリスチャンズも参加したタイトル通りのファンキーなダンス・ナンバー「Ed's Funky Diner」まで実にヴァラエティに富んだ作品が並んでいる。「Lullaby」「Washing The Air」のコーラスの入れ方やエレクトロニクスの使い方に感じられる「アコースティックで懐かしい、だけどモダン」なサウンドゆえ、ギターポップ系に分類されることもあるみたい。捨て曲なしの傑作アルバムだ。

 プロデューサーは、ティアーズ・フォー・フィアーズやイレイジャー、デペッシュ・モードなどのプロデューサーで、ミキサー/エンジニアとしても知られるデイヴ・バスコム。

 このアルバムのオープニング・ナンバー「Driving Away From Home (Jim’s Tune)」は、UKシングルチャートで18位まで上がった。イギリスの著名なDJ/ミキサーだったダニー・ランプリングは、この曲を自分のコンピレーションに収録した理由を次のように語っている。
 「このトラックは'80年代にリリースされたもので、サッチャー政権下のイギリスや、その時代をよく表現したトラックなんだよね。その頃の僕たちは、「この国なんて捨てて、違う場所に行ってしまおう」ってよく話していたものだよ。その頃は25歳以下ならヨーロッパ中を回れる電車のチケット制度があったから、同世代の子の多くはヨーロッパに旅に出たんだけど、僕はアメリカに行ったんだ。当時はたくさんの人がイギリスに対して幻滅していて、このトラックはそんな状況をよく表していた。だからみんなこのトラックに共感したんじゃないかな。バレアリックな感じもあるしね。これは、若者たちが口をそろえて「こんな国捨ててしまって、いっそ違う場所に行ってしまおう」と言っていた、不景気で惨めだった時代を要約したようなトラックなんだ。そんな'80年代の一面をよく反映していると思うよ。」
http://www.higher-frequency.com/j_interview/danny_rampling02/index.htm

Driving Away From Home (UK Version) Driving Away From Home (US Version) Driving Away From Home(TOP OF THE POPS)


 「Driving Away From Home (Jim’s Tune)」の陰りのある雰囲気は、80年代の閉塞感をよく表してたということだが、その頃大学生だった私は「イギリス音楽独特のセンチメンタルさ」ととらえていたのだろう。It's immaterialは日本でも高い評価を得ていたが、このような点が、叙情性を好む日本人には好まれたのかもしれない。

  Ed's Funky Diner


 It's Immatterialは、1990年に2ndアルバム『SONG』をリリースした後、長い沈黙にはいってしまった。『SONG』リリース時のインタビューで、メンバーの一人ジャーヴィス・ホワイトヘッドは「前作(LIFE'S HARD AND THEN YOU DIE)が不評だったことに失望して、しばらく音楽活動から遠ざかっていた」と語っているが、『LIFE'S HARD AND THEN YOU DIE』は、かなり好評だったと思う(雑誌『Fool's Mate』1986年12月号・No.63)。2ndアルバム『SONG』の日本盤がリリースされたことも、そのことを示していたと思うが、1992年に一応完成した3rdアルバム『House for Sale』は、結局お蔵入りとなってしまった。その後リヴァプールのレーベルViperがリリースしたコンピレーションで数曲が断片的に公となったものの、バンドとしての活動はまったく聞こえてこなかった。
IMG_1316.JPG

①2001年:『LIVERPOOL CULT CLASSICS-UNEARTHED Vol.1』に、『House for Sale』収録予定だった「New Moon」が収録される。アラン・ランキンの「サンドマン」風の素晴らしい曲。
②2001年:『LIVERPOOL CULT CLASSICS-UNEARTHED Vol.2』に、ジョン・キャンベルとヘンリー・プリーストマンによるユニット、Palais de Sandの「The Harbour Song」が収録される(レコーディングは90年)。もともとリュック・ベッソン監督の映画「アトランティス」 用に作られた曲とのことである。
③2002年:『The Great Liverpool Acoustic Experiment』に「Just Drive」が収録される。
④2010年:Youtubeに『House for Sale』に収録予定だった「Just North Of Here」がアップロードされる。「Mr. Campbell and Mr. Whitehead still compose together and in recent years have completed various projects for both film and radio.」というコメント付きで。

Just North Of Here


⑤2011年:Youtubeに『House for Sale』に収録予定だった「Is It Alright [Between Us]」「New Moon」がアップロードされる。
New Moon


Is It Alright [Between Us]


⑥2013年2月:It's Immaterialのフェイスブックが開設され、復活宣言(彼ら自身の言葉によれば「So this is not a come back, it’s just another chapter in the It's Immaterial story.」とのこと)。
    https://www.facebook.com/ItsImmaterial/
⑦2013年3月:ジョン・キャンベルのツイッターアカウントが開設。
     https://twitter.com/its_immaterial
⑧2016年7月:『LIFE'S HARD AND THEN YOU DIE』の30周年記念2枚組CDがリリース。
⑨2016年9月:3rdアルバム『House for Sale』の予約受付がPledge Musicでスタート。

【2016 30th anniversary Deluxe Edition】
[DISC 1]
01. Driving Away From Home (Jim’s Tune)
02. Happy Talk
03. Rope
04. The Better Idea
05. Space [3.58]
06. The Sweet Life
07. Festival Time
08. Ed’s Funky Diner
09. Hang On Sleepy Town
10. Lullaby
11. Washing The Air
12. We’ll Turn Things Upside Down (The Enthusiasts Song)
13. Only The Lonely
14. A Crooked Tune
15. Trains, Boats, Planes
16. Hereby Hangs A Tale
17. Kissing With Lord Herbert
18. Driving Away From Home (Jim’s Tune) (single version)
19. Space (single version)

[DISC 2]
01. Space (John Peel Session)
02. Hang On Sleepy Town (John Peel Session)
03. Festival Time (John Peel Session)
04. Rope (John Peel Session)
05. Ed’s Funky Diner (The Keinholz Caper) [5.53]
06. Washing The Air (Rub A Dub Mix)
07. Driving Away From Home (Wicked Weather For Walking)
08. Ed’s Funky Diner (Friday Night, Saturday Morning)
09. We’ll Turn Things Upside Down (When The Revolution Comes)
10. Driving Away From Home (I Mean After All It’s Only ‘Dead Man’s Curve’)
11. Space, He Called From The Kitchen
12. Rope (Extended Mix)
13. Space (Instrumental)
14. Jazz Bo's Holiday Transatlantique
15. Driving Away From Home (Original 4 Track Demo)

CD2枚組で全34曲、オリジナルが11曲だったのでボーナストラックが23曲という驚愕のボリューム。初出の音源も多く、まさに神リリース。




LIFE IS HARD & THAN YO

LIFE IS HARD & THAN YO

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: CAROL
  • 発売日: 2016/07/01
  • メディア: CD



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

THE AFFECTIONATE PUNCH / THE ASSOCIATES [アソシエイツ]

IMG_1309.JPG


1980 ORIGINAL ALBUM
 01. The Affectionate Punch
 02. Amused as Always
 03. Logan Time
 04. Paper House
 05. Transport to Central
 06. A Matter of Gender
 07. Even Dogs in the Wild
 08. Would I... Bounce Back
 09. Deeply Concerned
 10. A
 【Bonus Tracks】
 11. You Were Young
 12. Janice
 13. Boys Keep Swinging (Mono)
 14. Mona Property Girl

1982 REMIX ALBUM
 01. Amused As Always
 02. The Affectionate Punch
 03. A Matter of Gender
 04. Would I... Bounce Back
 05. A
 06. Logan Time
 07. Paper House
 08. Deeply Concerned
 09. Even Dogs in the Wild
 10.Transport to Central

 アソシエイツのデビューアルバムは、1980年にリリースされたが、2年後の82年にリミックス盤がリリースされた。私が先に聴いたのはリミックス盤の方。メンバーの2人ともリミックス盤はあまり気に入らなかったそうだが、私はリミックス盤の方が好きだ。
 オリジナルはキュアーのフィクション・レコードからリリースされたこともあり、キュアー的なポスト・パンク・サウンド。一方のリミックス盤は、後の作品につながるシンセが大々的にフィーチャーされ、カラフルかつゴージャズな音作りになっている。曲順もかなり入れ替わっているが、「Amused As Always」から始まって「Transport to Central」で終わるという流れが馴染んでしまって、イントロもリミックス盤とはかなり違う「The Affectionate Punch」のオープニングには、ちょっと違和感を感じてしまう。とはいえ、万華鏡のようなサウンド・プロダクションを欠いている分、ビリーのヴォーカルはデビューの時点から卓越していたことがわかるのも事実。なかでも「Deeply Concerned」のヴォーカルの凄さは、オリジナル盤を聴いて改めて認識した。
 オリジナル盤にはキュアーのロバート・スミスもバッキング・ヴォーカルでクレジットされているが、どの曲に参加しているのか、注意して聴いてみたけど聴き取れなかった(タイトル・ナンバーに参加しているという記事もみかけたが)。またオリジナル盤のプロデューサーとしてクレジットされているマイク・ヘッジズの経歴も面白い。彼が手がけた作品は、そのままUKニュー・ウェイヴの歴史と言っていいくらい。
 https://en.wikipedia.org/wiki/Mike_Hedges#Discography



Affectionate Punch

Affectionate Punch

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Piau/
  • 発売日: 2016/05/06
  • メディア: CD



nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:音楽

WHEEL IN THE ROSES / REMA-REMA [4AD]

IMG_1303.JPG

SIDE 1
 1.Feedback Song
 2.Rema-Rema
SIDE 2
 1.Instrumental
 2.Fond Affections

The Feedback Song + Rema Rema Fond Affections



 『ミュージック・マガジン』1987年6月号の4AD特集掲載のディスコグラフィを見ると、初期4ADのカタログナンバーは、AXIS時代からシングル・アルバムも含めてすべて通し番号になっている。したがって、このレマ・レマが残した唯一のレコード(80年)のBAD5という番号は、これが4AD最初期の作品の一つだということを示している。4ADがスタートした1980年に同レーベルからリリースされた19作品のうち、アルバムは2枚しかない。4AD発足当初は、シングル主体だったのである。 

 レマ・レマは、マーク・コックス(キーボード)、 マイケル・アレン(ヴォーカル&ベース)、ゲイリー・アスクィス(ヴォーカル&ギター)、 マルコ・ピローニ(ギター)、マックス(ドラムス)の5人組。重くうねるようなビートにノイジーな感覚は 麻薬のよう。オープニングの「Feedback Song」は、ジャケットのブリミティヴで呪術的な雰囲気と、うまくマッチしている。私が最初に買ったアナログシングルは、再発CDと異なり、オープニングの♪We're REMA-REMA~というヴォーカルがはいっていない。ラスト・ナンバーの「Fond Affections」は静謐なナンバーで、暗い海の底を漂っているような感覚。のちにディス・モータル・コイル の2ndアルバムに収録されたが、そのテイクにはマーク・コックスがDX7で参加している。 耽美・内省・虚無・諦観....私が初期4ADに抱いたイメージは、このレコードからだった。4ADの最高傑作は?と問われたとき、アルバム単位ならばディス・モータル・コイルの1枚目かコクトー・トゥインズの『Treasure』をあげたいところだが、シングルならばこのレマ・レマ。

 B面の2曲は1979年にロンドンのアクラム・ホームで収録されたライヴ・テイク。このときレコーディングされた「Why Ask Why?」「Christopher」という2曲が、イギリスで1981年にリリースされた『The Men With The Deadly Dreams』というコンピレーションに収録されているらしい。このコンピはWhite Stains Tapesというカセットオンリーのレーベルが200セット限定でリリースしたとのこと。

Why Ask Why?


 レマ・レマの解散後、ギターのマルコは、このシングルのジャケット・デザインやライナーを手がけたケヴィン・ムーニーを誘って(このシングルのアートワークは、23エンヴェロープの作品ではない)、アダム&ジ・アンツに加入し、一世を風靡する。残り4人のうち、ドラムのマックス以外の3人は、ダニー・ブリオテットを加えた4人でマス(MASS)を結成し、4ADからアルバム『Labour of Love』をリリースした。マックス(Dorothy Max Prior)はドロシーの名で、80年にシングル「I Confess」をスロッピング・グリッスルのインダストリアルからリリースした後、サイキックTVに参加した。

 ジャケットの元になった写真を、写真家集団「マグナム・フォト」の作品集で見つけた。1949年にスーダンのコルドファンで撮影されたもので、「仲間の部族民にかつがれて勝ち誇るヌバ族のレスラー」というタイトルがつけられている。レスラーの右手に見える花は、オリジナルにはない。フォトグラファーはジョージ・ロジャー。Wikipediaによれば、第二次世界大戦中戦争カメラマンとして活躍したロジャーは、解放されたナチスの強制収容所で見た光景がトラウマとなって戦争カメラマンを辞め、アフリカをテーマにした写真を撮っていたという。『LIFE AT WAR』にロジャーが撮った写真が掲載されているが、骨と皮ばかりになった人たちの折り重なる死体の脇を、一人の少年が歩いているという写真である。

 
 このレマ・レマをはじめ、大学生だった私がUK New Wave系のレコードを購入していたのは、熊本市上通りあった中古レコード店「Oh!」。ママさんと息子さん(たぶん)のお二人でやっていたショップで、そこには「New Wave研究家のためのコーナー」というのがあった。MASSなど4AD系のアーティスト、キリング・ジョーク、バウハウス、アソシエイツなど12インチからアルバムまで、レアなレコードが無造作に詰め込んであった。ディス・モータル・コイルのCDを買ったのも確か「Oh!」だったと思う。今思うと、まったく信じられない話である。「Oh!」はすでに閉店しているのだけど、今でも上通りのセブンビルの2Fにあがる小さな階段を昇ってしまう。


 2014年と2015年、レマ・レマのアナログ・シングルがひっそりとリリースされたらしい。2014年が「International Scale / Short Stories」、2015年が「Entry / Exit」。
International Scale



レマ・レマの音源まとめ。 https://www.reverbnation.com/remarema/songs
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽