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THE WAKING HOUR / DALI'S CAR [ジャパン]

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THE WAKING HOUR / DALI'S CAR
 01. Dalis Car
 02. His Box
 03. Cornwall Stone
 04. Artemis
 05. Create And Melt
 06. Moonlife
 07. The Judgement Is The Mirror

 元JAPANのベーシストのミック・カーン(2011年に52歳で死去)と、元バウハウスのヴォーカリストのピーター・マーフィーの2人が結成したユニット、ダリズ・カーが1988にリリースしたアルバム。商業的にはヒットしなかったが、ミックのグニョグニョと蠢くフレットレス・ベースに、ピーターのヴォーカルが絡んだユニークでオリジナリティに溢れた作品。ダリズ・カーは私が敬愛する二人のアーティストが組んだユニットであり、出てくる音がどんな曲であれ受け入れるつもりであったが、正直期待以上の作品であった。
 私が最初にミックのフレットレス・ベースに注目したのは、JAPANの「エイント・ザット・ペキュリアー」で、エスニック寄りのアフロ・ファンクなテイストがとても印象的な曲だった。一方のピーター・マーフィーといえば、「ブルガリアン・ヴォイス」を4ADのアイヴォに紹介したエピソードからも知られるように、「西アジアに近いヨーロッパ」の要素を持っている。トランシルヴァニアの森に棲むドラキュラ。この二人の美学が、(決して混じり合うことはないが)よく感じられる作品だ。バックの演奏はほとんど歌メロを演奏しておらず、ベーシック・トラックにピーターがヴォーカルを被せている感じ。
 ジャケットのアートワークは、20世紀前半に活躍したアメリカの挿絵画家・イラストレーターであるマックスフィールド・パリッシュ(1870~1966年)の作品「Daybreak」 (1922)。彼の作品は「パリッシュ・ブルー」とも称される澄んだ独特の青色で知られるが、特に3曲目「Cornwall Stone」から感じられる雰囲気にマッチしているように思われる。



Ain't That Peculiar / JAPAN


ブルガリアン・ヴォイス(4AD)


The Judgement Is The Mirror / DALI'S CAR


 ミック・カーンは 2011年1月4日に亡くなるが、彼は自分が癌に冒されていることを死の前年に公表していた。彼は亡くなる直前の2010年秋、ピーターと再度スタジオに入って数曲のレコーディングを行い、それらの曲は彼の死後全5曲のミニ・アルバム『IN GLAD ALONENESS』としてリリースされた。まさにスワン・ソングである。
 01. King Cloud
 02. Sound Cloud
 03. Artemis Rise
 04. Subhanallah
 05. If You Go Away
 ミックスとドラムを元JAPANのスティーヴ・ジャンセンが行っており、彼は「If You Go Away」(シャンソン「行かないで」のカヴァー)のアレンジも担当している。オリエンタルな「Sound Cloud」、『THE WAKING HOUR』に収録されていた「Artemis」のヴォーカル入りヴァージョン「Artemis Rise」など、前作の流れを踏襲した音作り。ラストの「If You Go Away」はミックへのレクイエムのようで、感動的だ。


ウェイキング・アワー(紙ジャケット仕様)

ウェイキング・アワー(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: インペリアルレコード
  • 発売日: 2004/08/25
  • メディア: CD



ウェイキング・アワー

ウェイキング・アワー

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: インペリアルレコード
  • 発売日: 2005/12/16
  • メディア: CD



INGLADALONENESS

INGLADALONENESS

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: KSCOP
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: CD



The Waking Hour

The Waking Hour

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Beggars UK - Ada
  • 発売日: 2007/05/21
  • メディア: CD



InGladAloneness

InGladAloneness

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Fifty One Records
  • 発売日: 2012/04/04
  • メディア: CD



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DALEK I LOVE YOU [ニュー・ウェーヴ系]

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DALEK I LOVE YOU (Korova KODE1016)
 01. Holiday In Disneyland
 02. Horrorscope
 03. Health And Happiness
 04. The Mouse That Roared
 05. Dad On Fire
 06. Ambition
 07. Lust
 08. 12 Hours Of Blues
 09. Sons Of Sahara
 10. Africa Express
 11. Would You Still Love Me (from 12" B side of `Ambition' )
 12. These Walls We Build (from the B side of `Horrorscope' )
 13. Horroscope (Instrumental version)
   (from the 12" B side of `Horrorscope' )
 14. Masks & Licences (from the B side of `Holiday In Disneyland' )
 15. The Angel And The Clown (from the 12" B side of `Horrorscope' )
 16. Heaven Was Bought For Me
   (from the 12" B side of `Holiday In Disneyland' )
 17. 12 Hours Of Blues (Dub)


ダーレック・アイ・ラヴ・ユー(Dalek I Love You)はリヴァプール出身のテクノ~エレ・ポップ・バンド。1979年にはダーレック・アイ(Dalek I)というバンド名でヴァーティゴからの1stシングル「Freedom Fighters」を、翌年にはフォノグラム傘下のバックドアからアルバム『Compass Kum'pas』をリリースした。初期にはデヴィッド・バルフェとアンディ・マッカーシーも在籍していたが、2人ともアルバムのリリース前に脱退している。脱退したバルフェは78年にZooレコードをビル・ドラモンドとともに立ち上げ、伝説のバンドであるビッグ・イン・ジャパンに加入、さらにカメレオンズの名義でエコー&ザ・バニーメンの1stアルバム『クロコダイルズ』(80年)をプロデユースした。一方、アンディ・マッカーシーは同じく78年に O.M.D.(オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク)を結成している。
 80年にリリースされた 『Compass Kum'pas』は、中心メンバーのアラン・ジルとデヴィッド・ヒューズの2人の名義だが、後にプロデュ-サーとして大活躍するヒュー・ジョーンズが1曲だけ参加している。このアルバムをリリースした後、アラン・ジルはデヴィッド・バルフェの紹介でティアドロップ・エクスプローズに加入し(デヴィッド・バルフェはビル・ドラモンドとともにティアドロップ・エクスプローズのプロデュースを手がけていた)、一方デヴィッド・ヒューズはOMDに参加したため、Dalek Iは空中分解してしまった。アラン・ジルはティアドロップ・エクスプローズで「Reward」(全英チャートで6位とヒットした)をジュリアン・コープと共作したもののすぐに脱退した(後任はトロイ・テイトで、彼は後にザ・スミスの1stアルバムをプロデユースしたがお蔵入りになってしまった)。この『Compass Kum'pas』は結構なレア盤で、89年にフォンタナからCD化されたがその後はリイシューされていない。2011年にアナログ盤が別ジャケットで再発されている。

 以上のバイグラフィーは、英文のライナーとDiscogを参考にまとめたものであるが(英語版Wikipediaの記事は、このCDのライナーをもとに書かれたと思われる)、これからわかるように、中心メンバーのアラン・ジルは、リヴァプールの音楽シーンで重要な役割を果たした人物であった。

 ティアドロップ・エクスプローズを脱退したアラン・ジルはダーレック・アイの復活をはかり、ダーレック・アイ・ラヴ・ユーというバンド名で83年にエコバニのコロヴァからこのアルバムをリリースした(83年)。クレジットされている3人のメンバーは、アラン・ジル以外詳細不明。

 前身バンドであるレディオ・ブランク(Radio Blank)はパンク・バンドであったが、1977年にダーレック・アイと改名したとき、バンドのコンセプトはクラフトワークだったという。エレ・ポップとなったこの2枚目、一番近い音は、トニー・マンスフィールドのニュー・ミュージック(NEW MUSIK)。ちょっとヒネってて遊び心も感じられ、時にはXTC的な部分も感じられる。アフロ・ファンク的なリズムに女性コーラスが絡むとか、面白い音作りだ。イアン・ブロウディにプロデュースを任せるなどもう少し洗練して、メロディーの良さを前面に出せばよかった。








Dalek I Love You

Dalek I Love You

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Man in the Moon
  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: CD



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BRYTER LAYTER / NICK DREAK [ニック・ドレイク]

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ブライター・レイター / ニック・ドレイク
 01. イントロダクション
 02. ヘイジー・ジェーン2
 03. アット・ザ・チャイム・オブ・ザ・シティ・クロック
 04. ワン・オブ・ジーズ・シングス・ファースト
 05. ヘイジー・ジェーン1
 06. ブライター・レイター
 07. フライ
 08. プア・ボーイ
 09. ノーザン・スカイ
 10. サンデイ

 ニック・ドレイク、というと「内省的」「陰翳」というイメージだが、この2枚目(70年)はバックの演奏が華やかで、明るいイメージを打ち出した作品に仕上がっている。ニックの少しくぐもったような歌い方はそのままだが、全体的に明るさが感じられ、ストリングスやリズム・セクションのアレンジもほどよく抑制が効いており、曲の良さがよく生かされている。プロデュースは前作同様ジョー・ボイド、リズム隊もデイヴ・ペグ(ベース)とデイヴ・マタックス(ドラム)のフェアポート組が固めており、「ヘイジー・ジェーン2」にはリチャード・トンプソンもクレジットされている。そして「フライ」と「ノーザン・スカイ」には、元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルが参加。なお「プア・ボーイ」にバック・ヴォーカルでクレジットされているパット・アーノルドは、P.P.アーノルドとして知られる女性ソウル・シンガーで、イミディエイト・レコードのアンドリュー・オールダムが彼女のバック・バンドとしてつくったのが、後にELPへと発展するザ・ナイスである。


 「アット・ザ・チャイム・オブ・ザ・シティ・クロック」や「プア・ボーイ」など、曲によってはジャズ的な雰囲気も感じられ、続く「ワン・オブ・ジーズ・シングス・ファースト」は、レッド・ツェッペリンの「ザッツ・ザ・ウェイ」や「カリフォルニア」を彷彿とさせる。なかでも、明るくリリカルなピアノをバックにした「ノーザン・スカイ」は、聴く人を陽光の中に誘うかのような名曲。裏ジャケの後ろ姿からは、希望に向かって歩いていくような雰囲気も感じられる。



ブライター・レイター(紙ジャケット仕様)

ブライター・レイター(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ニック・ドレイク,ニック・ドレイク
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2017/11/22
  • メディア: CD




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1975年2月12日のLED ZEPPELIN [レッド・ツェッペリン]

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『FLYING CIRCUS』(EVSD-185/6/7)
(Disc 1)
 1. Rock And Roll
 2. Sick Again
 3. Over The Hills And Far Away
 4. In My Time Of Dying
 5. The Song Remains The Same
 6. Tha Rain Song
 7. Kashmir

(Disc 2)
 1. No Quarter
 2. Trampled Underfoot
 3. Moby Dick

(Disc 3)
 1. Dazed And Confused
 2. Stairway To Heaven
 3. Whole Lotta Love
 4. Black Dog
 5. Heartbreaker

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 この日はニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン公演。75年USツアーにおいてMSGは3回の公演が行われており、この日は最終日にあたる。
 この日のSB音源は75年USツアーの定番音源で、演奏・音質共にトップクラスである。かつてオーディエンス音源でも出回っていた公演で、私も『HEATBREAKERS BACK IN TOWN』(TNT 920120/1)という2枚組を買ったことがある。LPジャケットサイズのボックスにCD2枚、コンサート・プログラムのレプリカ、英文ライナーとその日本語訳が付録としてついていたアイテムで、FAR EAST RECORDで確か9800円だったと思う。オーディエンス音源も独特の味があって悪くないが、いかんせんこの『HEATBREAKERS BACK IN TOWN』はコンプリートではなかった。
  『FLYING CIRCUS』の方は観客の声が遠く、臨場感に欠ける感がなきにしもあらずだが、ギターの音がクリアーでレベルも高くはいっており、ジミーの姿が目に浮かぶようだ。特に「Over The Hills And Far Away」の躍動感溢れるギターと、「Tha Rain Song」でのメロトロンとギターの幻想的な絡みは素晴らしい。そして「Kashmir」の力強さ。ロバートの高音部は少々苦しい部分もあるが、不穏な雰囲気を漂わせ切り込んでくるようなジョンジーのプレイと重いリズムで支えるボーナムがカッコいい。ドラムのレベルがもう少し高ければ、言うことはないのだが。

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THE TROUBADOURS [ギター・ポップ系]

 ザ・トルバドールズは、ジョン・レッキー(ストーン・ローゼスやラーズを手がけたプロデューサー)がプロデュースしたシングル「ギミ・ラヴ」で2008年にデビューした。「ギミ・ラヴ」は、リヴァプールのDNAを受け継ぐ名曲だという思いは今も変わらない。キャッチーなメロディーと流麗なコーラスワーク、ポップでどこかノスタルジック....80年代ギターポップの影響を感じさせつつもモダンな感じが実に心地よいサウンドで、「ラーズ(The La's)の後継者はザ・トルバドールズだ」と思ったものである。リヴァプール出身という思い入れだけではなく、良い曲がたくさんあって....「たくさん」と言ってもアルバムはこれ1枚だけ....というのもThe La'sそっくり。

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 アルバムが「日本先行発売」というアナウンスがされたときからなんとなくイヤな予感がしていた。しかもリリース(9月)されたアルバムは、大方の予想と異なりジョン・レッキーではなかった。アルバムリリース直前の8月にはサマソニで来日しており、リリース後の11月には単独で来日公演も行うなど日本では着実に人気を博していたと思う。アルバムの出来も良かった。久しぶりに「良いバンドが出てきたなぁ」と思ったものである。しかし結局本国ではアルバムはリリースされず、トルバドールズは2009年に解散がアナウンスされた。2011年12月には地元リヴァプールで一夜限りのライヴを行ったと伝えられたものの、その後バンドとしての活動は伝わってこない。リーダーのマーク・フリスはソロで活動している。「ギミ・ラヴ」のEP盤、アマゾンJPのマーケットプレイスでは投げ売りだが、アマゾンUKでは結構な値段で売られている。

マーク・フリスのフェイスブック
https://www.facebook.com/FrithOfficial/


Where the Rain Falls



Gimme Love







ザ・トルバドールズ

ザ・トルバドールズ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2008/09/24
  • メディア: CD



EP

EP

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2008/07/23
  • メディア: CD



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LOVE NOT MONEY / EVERYTHING BUT THE GIRL [エヴリシング・バット・ザ・ガール]

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LOVE NOT MONEY
 01. When All's Well
 02. Ugly Little Dreams
 03. Shoot Me Down
 04. Are You Trying to Be Funny?
 05. Sean
 06. Ballad of the Times
 07. Anytown
 08. This Love (Not For Sale)
 09. Trouble and Strife
 10. Angel
 11. Kid(Bonus Track)
 12. Heaven Help Me(Bonus TRack)

 先頃リマスター盤がリイシューされ、『レココレ』誌でも特集が組まれたEBTGの2枚目(85年)。この作品がリリースされた頃は、ポスト・パンクが「ネオアコ」「ネオサイケ」など新しい展開を見せ始めた頃で、私もFM雑誌を片手に「FMナイトストリート」や「クロスーバーイレブン」を聴いていたものである。その頃私はスタイル・カウンシルの大ファンで、ベン・ワットが彼らのアルバムに参加していたことからEBTGに興味を持ち聴き始めた。
 ベン・ワットは、イアン・ブロウディと同じくらい音楽的引き出しが多い人で、前作はジャズ的な雰囲気が強く、このアルバムでも「This Love (Not For Sale)」などジャズ的雰囲気が強い曲があるが、アルバム全体としてはフォーク・ロック寄り。1曲目「When All's Well」は、ペイル・ファウンテンズの1枚目をゴージャスにしたようなキラめきの名曲で、オープニングからキラー・チューン。ベン・ワットがヴォーカルの「Sean」は、雰囲気はシンプルなのに、プロデュースやアレンジはとても手が込んでいる。この曲をはじめ、洗練さの度合いは前作に比べてずいぶんと上がっており、「オルタナティヴ度」は下がったように感じる。2枚目のシングルとなった「Angel」を持ってきたことは、このアルバムの全体的な雰囲気をダークなものにしているが、ボーナス・トラックとして「愛しのキッズ(Kid)」(プリテンダーズのカヴァー)を収録したことで、アルバム全体の雰囲気が少し変わったように感じる。2012年にはBBC音源などを含む2枚組のデラックス・エディションがリリースされた。





LOVE NOT MONEY(+2)(紙ジャケ仕様/SHM-CD)

LOVE NOT MONEY(+2)(紙ジャケ仕様/SHM-CD)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Cherry Red
  • 発売日: 2017/12/20
  • メディア: CD



Love Not Money: Deluxe Edition

Love Not Money: Deluxe Edition

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Edsel Records UK
  • 発売日: 2012/05/29
  • メディア: CD



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SYSTEMS OF ROMANCE / ULTRAVOX [ウルトラヴォックス]

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システムズ・オブ・ロマンス / ウルトラヴォックス
 01. Slow Motion
 02. I Can't Stay Long
 03. Someone Elses Clothes
 04. Blue Light
 05. Some Of Them
 06. Quiet Men
 07. Dislocation
 08. Maximum Acceleration
 09. When You Walk Through Me
 10. Just For A Moment



 ウルトラヴォックスの3rdアルバム(78年)。アイランドからリリースした最後のアルバムで、フロント・マンだったジョン・フォックスが在籍した最後のアルバムでもある。
 ゲイリー・ニューマンがジョン・フォックス~初期ウルトラヴォックス!からの影響を公言していたこともあり、最初に『HA!HA!HA!』(77年)を聴いてみたのが、パンキッシュな攻撃性が自分には今ひとつピンと来なかった。どこがテクノ~エレポップなの?と。しかしこの3枚目は、流れるようなシンセ、エッジの効いたギター、そしてメロディアスな曲調など、ポスト・パンクからテクノ~エレ・ポップに向かう方向性を明確に示した作品だ。前作『HA!HA!HA!』はノイジーなギターがアルバム全体のイメージを攻撃的なものにしていたが、本作ではキーボードとドラム・マシーンが前面に出ており、テクノ系ニューウェーヴの原型を見ることができる。『HA!HA!HA!』から本作への流れをたどってみると、そのまま70年代パンクから80年代ニューウェイヴへの移行となる。プロデュースはドイツのコニー・プランク。そのつながりか、ラストの「Just For A Moment」には、ボウイの「ワルシャワ」に通じるようなヨーロッパ的耽美感が漂っている。アソシエイツの『サルク』と並ぶUKニューウェイヴの傑作だと思う。

Slow Motion
Can't Stay Long
Maximum Acceleration
Dislocation



岡崎京子さんの名作『ヘルター・スケルター』の主人公りりこを、彼女を追う検事は親しみを込めて「タイガー・リリィ」と呼ぶ。tiger lilyとは植物のオニユリ(鬼百合)のことで、ピーターパンに登場するキャラクターの名前でもある。だけど僕にはジョン・フォックスがつくっていたウルトラヴォックス!の前身バンドの名前。僕は、岡崎さんがジョン・フォックスのファンだったのではないかと思っている。あの事故からもう20年以上がたってしまった。



システムズ・オブ・ロマンス

システムズ・オブ・ロマンス

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2015/03/18
  • メディア: CD



システムズ・オブ・ロマンス(紙ジャケット仕様)

システムズ・オブ・ロマンス(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
  • 発売日: 2006/07/26
  • メディア: CD



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SPLEEN AND IDEAL / DEAD CAN DANCE [デッド・カン・ダンス]

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憂鬱と理想 / デッド・カン・ダンス
  01. 深き淵より我呼びかけたり
    De Profundis (Out of the Depth of Sorrow)
  02. 高翔 / Ascesion
  03. 驕慢の罰 / Circumradiant Dawn
  04. 枢要の罰 /  The Cardinal Sin
  05. 催眠 / Mesmerism
  06. 絶対の謎 / Enigma of the Absolute
  07. 出現 / Advent
  08. 化身 / Avatar
  09. 生ける者への提言 / Indoctrination(A Design for Living)
 
 ブレンダンとリサの二人となった2ndアルバム(86年)。共同プロデューサー としてジョン・リヴァース(アイレス・イン・ギャザ、フェルトなどのチェリー・レッドの アーティストやラヴ・アンド・ロケッツなどを手がけた)がクレジットされている。

 DCDはアルバムごとに大きく印象が異なるバンドであるが(なので私が最もよく聴くのはベスト盤『時間軸の旅』)、この2枚目と5作目『エイオン』が好きだ。ロック的な躍動感は後退する一方で、ヨーロッパ中世、ゴシック、呪術的、エスニック....といったDCDの音楽から連想される要素のすべてが出そろい、オリジナリティと完成度が一気に高まった作品。ブレンダン(彼の風貌はルイ14世の宰相マザランを思い出させる)のヴォーカルも深みがあってよい感じである。中でも「絶対の謎 / Enigma of the Absolute」は、暗い大聖堂の闇の中をステンドグラスから差す一筋の光を頼りに(ジェダイの騎士のようなフード付きコートを着て)逍遥するかのようで、私の中ではDCDの曲の中で五本の指にはいる作品。



 廃墟を用いたジャケットも印象的で、作品のイメージとよくマッチしている。今にも崩れ落ちそうな建物。たどり着くのは難しそうだ。背を向けた女性が掲げる☆は所々欠けている。アート・ ディレクションはブレンダンがクレジットされており、23エンヴェロープではない。

 クレジットされているゲスト・プレイヤー のうちマーティン・マクガーリック(チェロ)はマーク・アーモンドのバック・バンド、ウィリング・ シナーズの元メンバーで、後にスージー&ザ・バンシーズにも参加していたが、ディス・モータル・コイルにも参加していた人物でもある。

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BELLS, BOOTS & SHAMBLES / SPIROGYRA [英国フォーク三種の神器]

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 ベルズ、ブーツ&シャンブルズ / スパイロジャイラ
 01. The Furthest Point
 02. Old Boot Wine
 03. Parallel Lines Never Seperate
 04. Spiggly
 05. An Everyday Consumption Song
 06. The Sergeant Says
 07. In The Western World

 チューダー・ロッジ、メロウ・キャンドルとともに「英国フォーク三種の神器」と並び称されるスパイロジャイラ。最高傑作とされるのが、この3枚目(ラスト・アルバム)である。ファースト・アルバムのリリース時は4人組であったが、このアルバムは男女二人組のデュオになっており、フェアポート・コンヴェンションのドラマーであるデイヴ・マタックスや管弦楽のサポート・メンバー計7人がクレジットされている。
 このアルバムがリリースされたときのメンバーは、女性ヴォーカリストのバーバラ・ガスキンと、ギター&男性ヴォーカルのマーティン・コッカーハムの2人。この2人は結成当初からのメンバーだ。繊細なガスキンのヴォーカルと、ドラマティックな演奏、そしてしっかりしたリズムがよく噛み合った名作である。カーヴド・エアやルネッサンスなどの女性ヴォーカル入りプログレ系のファンにもアピールしそうなサウンドだ。バーバラ・ガスキンのヴォーカルは、やや線の細さが気になるところだが、その部分を「儚げ」な感じとしてフルートなどの演奏や古楽っぽい雰囲気とよくマッチさせた音作り。こうしたサウンドをつくりあげているのは、妹のシャーリーとの姉妹デュオで有名なドリー・コリンズ。彼女はチェロ・フルート・トランペットのアレンジ担当としてクレジットされている。ラストの大作「In The Western World」のエンディングにおけるシンフォニックといってもいい壮大な演奏と、バーバラ・ガスキンのコーラスによるアンサンブルは感動的。


ベルズ、ブーツ、アンド・シャンブルズ

ベルズ、ブーツ、アンド・シャンブルズ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Webkoo
  • 発売日: 2005/08/30
  • メディア: CD



BELLS, BOOTS AND SHAMBLES: EXPANDED EDITION

BELLS, BOOTS AND SHAMBLES: EXPANDED EDITION

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ESOTERIC
  • 発売日: 2013/09/30
  • メディア: CD



BELLS,BOOTS AND SHAMBLES

BELLS,BOOTS AND SHAMBLES

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: OCTAVE / CHERRY RED
  • 発売日: 2013/11/30
  • メディア: CD



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BERT AND JOHN / BERT JANSCH & JOHN RENBOURN [ペンタングル]

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BERT AND JOHN / BERT JANSCH & JOHN RENBOURN
  01.East Wind
  02.Piano Tune
  03.Goodbye Pork Pie Hat
  04.Soho
  05.Tic-Tocative
  06.Orlando
  07.Red's Favorite
  08.No Exit
  09.Along The Way
  10.The Time Has Come
  11.Stepping Stones
  12.After The Dance


 ペンタングルのギタリスト二人によるデュオ・アルバム(66年)。バート&ジョン名義としては唯一の作品。ともにフォーク系ながら、ブルース寄りのバートとトラッド寄りのジョン。暗く陰鬱な、いかにも英国的なメロディーラインと雰囲気の中で聴かせる、二人の「息の合ったせめぎ合い」が心地よい。このユニットがペンタングルへと発展していくのは確かだが、リズム・セクションを一切排したギター演奏だけのインストがほとんどであるため、ペンタングルとの音楽的共通性はあまり感じられない。ヴォーカル入りの2曲を除いて、ほとんどがオリジナル曲で、「ギターだけの演奏で勝負する収録時間の短い作品」ということもあり地味な印象を受けるが、ブリティッシュ・フォークの名盤。

ヴォーカルが入っているのはバート作の「Soho」とアン・ブリッグスの「The Time Has Come」(オリジナルは『森の妖精』に収録)の2曲。のちにペンタングルでも取り上げる、チャールズ・ミンガスの「グッバイ・ポーク・パイ・ハット」を取り上げているのも興味深い。ペンタングル版はアルバム『スウィート・チャイルド』(68年)で聴くことができるが、この曲はジェフ・ベック(『ワイアード』)やジョニ・ミッチェル(『ミンガス』)も取り上げている。

 『レコード・コレクターズ』2004年9月号(ブリティッシュ・フォーク/トラッド特集)の表紙にも使われたこのジャケット写真、レココレ誌の表紙解説にもあるように、二人は確かに囲碁を打っている。なにゆえ囲碁なのだろう?



Bert & John

Bert & John

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Imports
  • 発売日: 2017/03/16
  • メディア: CD



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